かわいい狂人ブルーノ

ria-ria2009-07-27

 かわいいブルーノたんを見てきました。にのみーが「気軽な内容じゃないけど、気軽に見に来てください」って言ってたような気がするけれど、内容はもちろん、観劇も気軽なもんじゃあなかったですw
 若干ネタバレしてるので、たたみますね(ハッキリは書いてないけど、読めば大体内容わかっちゃいます)。




 席は2階でした。でも、あの箱の小ささなら2階でも十分近いッスね――と、ドームコンサートばかり行ってる新参者は言ってみるw リーダーと相葉ちゃんの舞台も、もっと箱大きかったもんね。ブルーノの迫真の演技に、取れて落ちたスーツのボタンまで見えました。
 わたしは舞台の演出についてはまるで素人、まったくわからんのですが、シースルースクリーンに列車が走る映像を乗せたのは迫力がありました。それから音楽も。「開演前がめちゃくちゃ静か」ってレポを読んだんですが、まったくその通りで、開演前の鐘が鳴ってからは全員が息をつめてました。で、暗転したと同時に耳を打つ音楽。舞台いっぱいに流れる列車の映像。ドキっと胸がはねたと思えば、もうそこにブルーノとガイがいましたからね。「わーい、二宮がでてきた〜♪」なんて暢気に思ってる余裕はないままにスタートでした。あれはグッとひきこまれてすごかったなぁ。久々に手足の存在を忘れましたw 観劇に行くと、すげー集中して手足を動かさなくなるんですよ。あの感覚は面白くて病みつきになるw
 内容は――うん、気軽じゃなかったw クスッとも笑うヒマさえない舞台でした。
 列車でたまたま出会ってしまった2人は、互いの身の上話をしてしまう。そこで互いの邪魔な人を殺しあうという交換殺人を思い付いたブルーノ。断るガイだったけれど、ブルーノは実行してしまい……そこからブルーノもガイもどんどん狂っていくんだけど、見ていて本当に痛々しかった。もちろん目当てはブルーノだったわけですが、ガイも相当キてて、見ごたえ抜群でした。
 ブルーノはとっても可愛いかったです。交換殺人を持ちかける資産家の息子。母親とは恋人同然ってどんなキャラクターだろう?って、全然想像力が働いてなかったんですが、ようは甘えん坊さんでした。彼は最初から狂人だったけど、それでも愛嬌があって可愛かった。お母さんが大好きで、自分の思い通りにならないと許せなくて、お酒が大好きで、自信があって……。うっとぉしいやつなのに、なぜか憎めない。ずるがしこいのにどこか純粋で、可愛らしい。彼の不思議な魅力が全身から放出されてて、それがぐるぐると渦になって、周囲の人間の運命を変えていってるようでした。物語の中のキャラクターたちも、会場の観客もぜーんぶね。
 一番翻弄されたガイは、本当に哀れで……。パンツ一丁でベッドで震えるところから始まる2幕は衝撃でした。普通の人が普通でなくなっていく様がよく見えて、すごかった。純粋さが消え、包容力がなくなり、夢も失っていく――。
 それはブルーノも一緒で、最初はくるくる笑ってた愛らしさがどんどん欠落していって、アル中による震えが発症してからは、完全に狂人。その時には彼の魅力がなくなってしまって、世界もブルーノを必要としないままに動くようになって――その絶望にあえぐ姿が生々しく、怖かったです。喉が裂けそうなくらいに「ママー!!」って叫ぶのとか、ゾッとしました。そこまで追い詰められたブルーノは、だから「絶対に僕を必要としている“はず”のガイ」に会いに行った……。わたしにはそんな風に思えました。
 そしてそれをやりきったにのみーは、やっぱりすごいんだなって思いました。最初と最後じゃ全くの別人になってて――それにはもちろん気づいてたけれど――でも、一番「げっ」と思ったのは、カーテンコールの時。挨拶に現れたにのみーは、ぺこりとお辞儀をしたわけだけれど、それがホント日本人サラリーマンっぽい、猫背で腰のひくーいお辞儀でwww それ見て「おじさんくさいなぁ」って思ったんだけれど、同時に「あれ? ブルーノはそんなことなかったよね」とも思って……。まぁ、役者としては当然なんですけどねw でも、あまりの落差にびっくりしちゃって……。わたしは二宮和也の舞台を見に行ったわけだけど、わたしが見ていたのは決してにのみーではなく、チャールズ・ブルーノだったんだなって。ねw そんなことを思ったり。
 ――と言いながら、しっかり縦じまのトランクスは凝視してきましたけどね。あれ、丸見え過ぎてちょっとワロタ。
 なんにせよ、とても楽しんだのでありました。できればもう1回行きたいから、当日券がんばろう。
 ちなみに話題のキスシーンですが、秋吉ママとのは角度が悪くて頭が重なったようにしか見えませんでした。ガイとのキスシーンは、「腐女子すいっちおーん☆」なんて雰囲気になるはずもなくwww ただただ「うわぁ〜〜、狂ってるー!!!」ってシーンでした。ブルーノは最期、ひとかけらの幸せを手に入れたと思うよ、ほんと。ガイもね。