すまいる、あげいん

 今日、久しぶりに仕事場に顔を出したら先輩から「あのフィリピンの、どないなん?」と訊かれました。どないなん……って……。「えーっと、フィリピン野郎って言われるドラマです。」→「なにそれ、ええのん?」
 たぶん、ギリギリアウトだと思いますw
 以下駄文。たたみます。
 勝手な妄想だけど、あのドラマを見た人の半分は、確実に「なにその悪口w」って思ったと思うんですよね。わたし自身も「えぇ〜?」って思ったし、放送禁止用語とか、差別とか、古風とかw、いろんな単語が頭を駆け巡りました。実際、日参しているブログでもそのことについて書かれていることが多くて、みなさんの考えにいっぱいいっぱい「なるほどなぁ〜」って思いました。
 でも、実はわたしがこのドラマに対して「なんだよこれ!」って思ったところは、そのセリフじゃなかったりしますw あのセリフを肯定するわけじゃないですけど、アレには意図があったんじゃないかな〜?ってのがわたしの考えデス。
 これまたわたしの妄想ですけど、スタッフがあのドラマで何を撮りたいかって、たぶん登場人物の笑顔と泣き顔の幅だと思うんですよ。そのためにビトをどん底まで突き落とす。で、あの最高の泣きシーンを撮る。そして、次は最高の笑顔を撮る! ……のが狙いなんじゃないかなぁ?っと。正直、ハーフとか失声症とか、そのためのツールでしかなくて、別に「差別イクナイ!」を押したいわけじゃないと思うんですよね。テーマは「人間愛」であって、「信じる気持ち!」とか「笑顔で乗り越える!」とかを見てほしいのでは? そのためにハードな設定を用意して、わかりやすくビトをなじろうとした結果、あのセリフになっちゃったのではないのかと。もちろん、もっとオブラートに包むなり、上手に見せる方法はあったと思う。でも、脚本→打ち合わせ→撮影→編集と、たくさんのプロセスを経て行く中でストップをかけなかったのは、わかりやすくビトを傷つけることを優先したんだと思うのです。そういう意味では、スタッフの執念さえ感じる気がしてきた。総理が漢字を書き間違えたことさえ揚げ足取りに使われるこの時代で、あの発言を通しちゃったんだもん。……いや、これ、妄想ですけどねw
 とにかく、重要なのはビトの泣き顔なのだ! ……と、勝手に解釈したわたしは、「おいおい」とは思ったものの、そんなに気に留めなかったのです。視聴者がものすごいアレルギー反応起こしたら、2話、3話とだんだん丸くなって見やすくなっていくと思うし。何せ、まだ1話ですからね。
 じゃあ、お前は何に腹を立ててたんだよって、あの泣きのシーンへのタメが足りない!!! とゆー、ひじょーに小さなことでしたw
 もう主観丸出しですいませんけど、もっとタメられたはずだと思っちゃったの! ビトの未来に暗雲立ち込めてるのは明らかで、その不穏さをもっと演出してほしかったなぁ〜って。「浮かせて落とす」の「浮かせて」部分が足りない……て思ったわたしは、Mすぎますか?www ストーカー花ちゃんは可愛かったけど、ビト落としの前に視点がぶれたのが、ちょっと水差されたような気がして悔しかったのですwww
 あと、ビトが逃げる前にもっと「僕はやってない!」って主張してくれてたら、その後の「誰も信じてくれなかった」涙がもっとグッときたんじゃないか、とか、電話越しの社長と奥さんはステキだったけど受け答えにリアリティがない*1とか、なーんかそんなところばかり気にしちゃって、「もっと見やすくしてくれよ!」と、実に実に自分勝手な憤りを感じてしまっていたのです、わたしは。
 でも、ビトの涙を見てると――あーもぅ、どうでもいい。哀しみと絶望に襲われるビトの切なさがスゴイ!!! と、神経を全部持っていかれてしまい、観賞30分後にその事実にハタと気付いて「そうか。重要なのは、あの涙なのだ。ここまでの物語も全てはあの涙のためなのだ!」→「つまり、わたしが腹を立ててたことは、本当に些細なことなんだな」と思うようになり、そしたら途端にステキな脚本のような気がしてきたのですwww
 ティアラに数百億って言われた時と一緒。「んなオークション、あるわけねぇだろ!」じゃなくて、「それだけ必死になるくらい、ティアラとつくしが大事!」ってことを演出しているのが重要なんだ。
 ……と、これまた勝手な自己解釈。こんだけウダウダ書いてて、お前は何が言いたいんだって……書き手の意図を考える前に、脚本をなじるのはよそうって話w*2 ながながと失礼いたしました。

*1:電話越しでビトの全てを落ち着かせるように話してたのが、個人的にはイヤンなかんじ。彼らは家族で帰る場所があるのにね。

*2:正解かどうかはわかんないですけどね、本人にきかないことには